明後日の素

二日後がもっと暮らしやすいように

自分の足で立つしかない

内館牧子の「愛しすぎなくてよかった」読みまして。

 

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何故か実家に置いてあったんですよね、誰が買っていても嫌だな、と思ってしまうくらい、私はこの手の脚本家小説に出てくるどこかの金持ちイケメンと結婚して幸せになってやる、というキラキラ女史が苦手なんです。結局自分の手ではなく誰かにちやほやされる事で己を満たすのを至高とする生き方とでも言うんでしょうか、東村さんのタラレバ娘にも出てくる感じの。

 

みてくれや収入等を点数化して「彼だったら私に釣り合う」『いい物件』などと、買い物気分で男性を漁る女性。世の中の女性の半数以上に喧嘩を売る事になってしまうかもしれませんが、出来れば関わりたくないものです。

 

ストーリーはまさにご都合主義的で、タラレバ娘の倫子の書く脚本のような展開なのですが、最終的に主人公は『男に幸せにしてもらいたい』という甘えを捨て去り、一歩一歩地道に自分のキャリアを伸ばし、目標に向かって邁進する決意をし、そのスタートを切るという終わり方をするので『目の前の事を淡々と、そうしていけばキャリアが開ける』との思いを胸に日々過ごしている私の心に染み渡りました。少し悔しいのですが自分の嫌いなタイプの小説にこんなにも励まされてしまって、今回このように感想を書くに至った訳です。

 

しかしながら、結末で主人公が成功への一歩を踏み出した傍ら、序盤中盤で彼女を馬鹿にしていた女性や、高収入の男性と結婚して幸せを勝ち取った主人公の友人が軒並み不幸な目に遭っており、結局あの人よりはマシ、と他人の人生と比較する描写で終わるので女性の闇をひしと感じました。

 

 読後感としてはトイアンナさんのこの記事を読んだ時と似た物があります。

 

toianna.hatenablog.com