明後日の素

二日後がもっと暮らしやすいように

3/15-31学生無料ウィーク

以前紹介した東京駅周辺美術館ですが、どうやら春休みにあたる三月は学生無料キャンペーンを行っているそう。

 

f:id:tokitaaguri:20160208140512p:plain

東京駅周辺美術館学生無料ウィーク 2016.3.15-3.31

 

今回はなんと言っても三菱一号館のPARISオートクチュール展と東京ステーションギャラリーのモランディでしょうね。学生の皆さんはこの機会に是非是非。

 

tokitaaguri.hatenablog.com

恋愛工学を解体してみる その2

先日恋愛工学の実態について、思うところを書いたのですが、今回はその動機をあーだこーだ考えて行こうと思います。

 

tokitaaguri.hatenablog.com

 

恋愛工学のメソッドの最初のものとして、まずは「セックストリガー理論」というものがあります。これは、女性は一晩を共にした相手を事後的に好きになるので、つまりアレをして主導権を握ってから恋愛が始まるという考えです。これを知ってから、まずはアレをすることをすべての目標にしました。 

シマヅ:
その目標は、どれくらい果たされたのでしょうか? 

高田:
現時点では 20人ほどの相手と。 

ネット上で話題の「恋愛工学」がよく分からないので工学生に直接メソッドを聞いてみた【ぐるなびWEBマガジン】

  

 

ここに書いてある事が全てだと思うのですが、恋愛工学が叫ばれ出してからまだ数年程だと思うのですが、そこから20人程の女性とセックスしたという事は、どうやら彼には相手と続けていく気(恋愛する気)はないんですよね、書くまでもないのですが。

 

そう、彼の視線の先にあるのは恋愛工学によって相対する女性ではないんです。それは男性同士のホモソーシャルと、その中での自身の順位なんですよね。『20人程の女性とセックスした』と喧伝する事によって、それを自分自身の価値としようとしているわけですね。

 

先日ポケモンの新作が発表されていましたが、男の子って捕まえたポケモンの数やレア度を競い合って、レアなポケモンを捕まえると、その捕獲方法を皆こぞって聴いたりしてくるのでそれでグループ内の順位が決まったりするじゃないですか、あれと構図は一緒です。なつかしいですね。

 

結局そうやって、「いい女とヤった」『どうやって?』といってワイワイやるのが楽しいんだと思うんですよ。こんな風にね。

 

www.youtube.com

 

大人になるにつれ、集まってワイワイする内容が美術鑑賞や仕事の話になったり、多様さに富んでいくわけですが、そういったものを語る事が出来ない人達が手っ取り早く共有出来、他者から評価を得やすいと思ってしまうのが、男性であれば女性とヤった数なのかもしれません。要はコミュニケーションツールなんですよね、よく何もない田舎の同窓会での話題が『金、女、車』しかないなどと聞きますが、そうやって話題に乏しい相手同士で盛り上がり、マウントを取り合うための。

 

恋愛工学でどんな美人とやったか、どうやってヤったか、何人だ、とアレコレ盛り上がるというのは、言うなれば男版女子会なんですよね。女性は相手がイケメンで年収は幾らでとか、あれこれお互いのパートナーをランク付けしてマウントを取りたがるじゃないですか。そうやって、パートナーのスペックという他人のまわしで相撲を取る、あれと同じようなものです。

 

変わらない人は、いくつになっても幼少期と変わらないのですよ。

 

 

www.pokemon.co.jp

www.amazon.co.jp

恩地孝四郎展

先月、東京都近代美術館にて開催中の恩地孝四郎展を見た。

 

f:id:tokitaaguri:20160223184406j:plain

www.momat.go.jp

 

日本の抽象美術の父と呼ばれ、東京美術学校(現東京芸術大学)在学中に田中恭吉、藤森静雄と共に版画や詩等を纏めた作品集月映を製作した。月映は田中の死後1年程で終刊してしまったが恩地は以後も晩年まで版画製作を行い膨大な数の作品を遺した。

 

恩地の作る版画は木版に限らず紙や糸などを使っており、版の表情はとても豊かで、そして優しい。色彩も穏やかなため、重い主題であってもどこかに救いがあるように感じる。

 

今回約400点もの作品が一同に会しており、見応えは十分だった。昨年東京ステーションギャラリーで行われた月映展同様、非常に充実した内容だった。今月28日までなのでまだご覧になられていない方はお早めに。

 

 

 

 

 

恋愛工学を解体してみる その1

巷で話題の恋愛工学ですが、こちら読みまして。つまりどういうことか、思った事をちらほらと。

 

r.gnavi.co.jp

 

この記事に登場する恋愛工学生の高田さんが

 

恋愛工学は、どんなに打率の低い男性でも複数かつ多数の女性とデートを重ねれば「いつかは女性とアレができる」ことに重点をおく「数撃ちゃ当たる」理論です。 

 

というものだと解説した後、実践としてシマヅさん相手に失礼な事を言い捲るわけなのですが、ここで彼らが行っている事は何かというと、

 

・(失礼な振舞いに対して)我慢しがち

・(僕の事意識してきたでしょ?と言われて)NOと言えず押しに弱い / 相手の言葉に従属しやすい

 

というですね、被虐待経験者やそういうのを受けやすい気質の人をスクリーニングしているんですよね。そうやって目星を付けた抵抗せずに自分のいいように振る舞える相手を言いくるめてセックスをする、と。

 

このdisからのセックスは、脅してから優しくするというヤ◎ザや虐待を行う人間がよく使う手段でして、ストックホルム症候群と似たようなもので、

 

ストックホルム症候群ストックホルムしょうこうぐん、Stockholm syndrome)は、精神医学用語の一つで、誘拐事件や監禁事件などの犯罪被害者が、犯人と長時間過ごすことで、犯人に対して過度の同情好意等を抱くことをいう。

 

加虐後(加虐環境下での)の加害者の受容や優しい振舞い(恋愛工学においてはセックス)によって被害者は加害者に好意をもつというものなんですよね。DV被害者や虐待被害者もこのような心理状況に陥る事が知られています。

加害者に好意!? ストックホルム症候群 | ニュース&トピックス | ケータイ家庭の医学

 

端から見て即虐待と判定出来るような例でなくとも、例えばヒステリー気味の親の元で育った方は罵声や否定的な言葉に晒されるのに適応していますから、記事にあるような恋愛工学生のメソッドに対して反発しにくいんですよね。ですから、記事中の

 

高田:
まぁ、メソッドが刺さらない子もいますからね。でも、刺さる子もいるわけで、そういう子の方が自分と相性がいい相手であることは間違いないわけです。

 

という高田さんにとって相性のいい相手というのは、つまりはそういう人なんですよ。セクハラなんかも加害者は自分より立場が低かったり気が弱い人を狙っていたりするじゃないですか、あれと構図は一緒です。決して、気が合うとか、一緒にいて楽しいだとか、そういう事ではないんです。

 

完結に言うと恋愛工学メソッドはNOと言えない相手を言いくるめて無理矢理セックスに持ち込む性的虐待なんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鯖を探して

先週の土曜日は久々に魚を捌きたくなって、いても立ってもいられず魚屋を求めて街に飛び出した。

 

歩いて30分先のスーパーは生活協同組合の実店舗で、しかもその日は店先に『魚の日』ののぼりが立っていた。これは期待出来そう、と意気揚々と買い物かごを腕にかけて店に入った。

 

奥まで進むとずらりと魚介が並んでいる、真鯛、イトヨリダイ、カレイ、イカ、太刀魚…鯖…あった。ただ、ようやく見つけたそれは既に半身に切られていて、煮物用との表示がついている。…惜しい、そうじゃない…と思いながら渋い顔をしていると、店員のおばちゃんに『何か欲しいのあった?』と尋ねられ、曖昧な笑みを浮かべて店を後にした。

 

気を取り直して次の店、今度は個人の昔からある所で、旦那さんが捌いて、奥さんが接客というスタイルの魚屋さんだ。店からはみ出た発泡スチロールに張られた氷水の中には生ニシン、鯵、そして鯖。しかも今度はしめ鯖用、と段ボールを切って作った値札に書かれている、しかも300円。どれにしようかとよく見てみると、少し目が濁り過ぎている…うーん…これもちょっとなぁ。他のところと見比べてきます、とこちらの店も何も買わずに出て、最後の候補へ。

 

駅の近くのスーパーに入っている鮮魚店は三重の鳥羽港からの直送がウリだそうで、以前インターネットでホームページを見た事があった。今度こそ、と願いをこめて近づくと、あった…しかも真新しい。念のため鰓を見せてもらうと鮮やかな赤色をしている、…これだ。ようやく新鮮な鯖を見つけて、にやにやしながら一つ下さいと言って包んでもらいお会計、1匹400円。まぁ妥当かな。

 

家に帰るとすぐに包みを開けて鯖を取り出した。いつもの休日は家に帰るとまず洗濯物を取り込むのが常だけれど、今日はそっちのけ。尻の穴から包丁を入れて腹を裂き、そのまま口まで刃を入れる。お腹を広げて内蔵をずるりと取り出すと白子がついていた、これはラッキー。レバーと心臓と胃袋と一緒に味噌汁に入れるとしよう。鰓と血の塊を丁寧に取りのぞいたら三枚下しに。身を切り取って皮を下にしておくとピンク色の身がとても綺麗、しかもぼろぼろと崩れていない、新鮮な証拠だ。大量の塩を振って、2時間半程寝かせる。ジップロックにお酢と昆布を入れたら、鯖がしまるのを待つのにだらだらと読書をしたり、少し疲れたので自分も寝たりして過ごした。

 

ピピッとアラームを合図にして起き上がる。どれどれ、と鯖の様子を見ると、しっかりと水が出ている。うんうん、丁度よし、と頷きながら優しく水で洗い流す。しっかりと塩を落としたらキッチンペーパーで表面を拭いて、身に昆布があたるように鯖を酢に浸す。ジップロックの空気を抜いて、再び寝かせて20分。ぐんぐん鯖が美味しくなってく様子を想像していたらあっという間に時間が過ぎて、鯖の身も表面のたんぱく質が白く変わっていた。

 

満を持して取り出し、腹骨を削いでいく。白くなった身が削られ、再びピンク色が顔を覗かせる、これは美味しそう…。はやる気持ちを抑えて、ピンセットで小骨を抜いて、裏返して皮を剥ぐ。それからラップを巻いて、冷蔵庫で30分。わくわくしながらななめに包丁を入れて、身を削いでいく。鮮やかな、まだ赤い血合いが綺麗だ。半身の半分程切って皿に並べ、醤油とわさびを出して、さてさてようやくいただきます。

 

f:id:tokitaaguri:20160209222835j:plain

 

美味しそうでしょう…美味しそうでしょう?…そう…これこれ。これだよー。冬の鯖は脂がのっていて、かといってくどくなく丁度いい。新鮮だから臭みもないし、しあわせだなぁ、うん、しあわせ。折角だからと日本酒も飲んですっかりいい気分になる。とてもいい週末だった。

 

 

 

鯖を買ったお店は首都圏と静岡に店舗を持つ山助さん。お近くにありましたら是非伺ってみて欲しい。本当に新鮮でいい鯖だった。

www.yamasuke.com

 

年初めの嬉しい悩み

毎年一月になると必ず買うようにしている美術館のチケットがある。

 

f:id:tokitaaguri:20160208114507j:plain

東京駅周辺美術館共通券

 

東京駅の近くにある美術館の共通券で、出光美術館三井記念美術館、三菱一号館美術館、東京ステーションギャラリーブリヂストン美術館の計5館を一月から十二月の間各館一階ずつ好きな時に訪れる事が出来るものだ。今年はブリヂストン美術館が休館しているがそれでもこれら4館を回れて2500円というのはなかなかお得。

毎回一月の半ば頃には売り切れてしまうので、今年もはらはらしながらなんとか東京ステーションギャラリーで手に入れる事が出来た。

 

f:id:tokitaaguri:20160208120933j:plain

 

チケットは冊子になっていて、ページをめくりながら今年はどの展示に行こうか悩むのが年初めの楽しみになっている、今年は何を観ようか。

 

f:id:tokitaaguri:20160208121158j:plain

 

まずは出光美術館。今年開館50周年を迎えるにあたって10年ぶりに国宝である伴大納言絵巻を3会期に分けて各一巻ずつ展示するそう。

 

f:id:tokitaaguri:20160208125306p:plain

 

 

これだけも見応え十分だが流石は50周年、他にも陶磁の展示や、周年記念のロゴにも使われている江戸時代の禅僧、仙厓の特別展など、どれも目移りしてしまう企画が目白押しだ。

f:id:tokitaaguri:20160208125546p:plain

 

 

 

 

三井記念美術館アールヌーボーかそれとも魯山人か、ああでも伝統芸能展も捨て難い。

 

f:id:tokitaaguri:20160208131858p:plain

 

 

三菱一号館美術館はPARISオートクチュールが絶対いいに決まっている。シャネル、クリスチャン・ディオールバレンシアガ、ジヴァンシィ、イヴ・サンローラン、ジャン=ポール・ゴルチエクリスチャン・ラクロワ、アライアのオートクチュールが一同に会するなんて…本当に待ち遠しい。

f:id:tokitaaguri:20160208132852p:plain

PARIS オートクチュール 世界に一つだけの服 |三菱一号館美術館(東京・丸の内)

 

東京ステーションギャラリーは丁度終わってしまったリトグラフ工房idemが面白そうだったのだけれど、それ以外となるとモランディか現代美術展だろうか。

f:id:tokitaaguri:20160208134436p:plain

 

映画好きな方は年末の高倉健の追悼展もいいかもしれない。

http://mainichi.jp/articles/20151110/ddm/010/200/010000c

 

三菱一号館以外はまだどの展示にするか迷っているので、しばらく悩む日が続きそうだ。

 


www.idemitsu.co.jp

 

www.mitsui-museum.jp

 

mimt.jp

 

www.ejrcf.or.jp

 

*本文中の画像は全て上記ホームページより転載

 

疲れたら足が向かう場所

今日は美術館巡りをしていた。最後にまわった展示は1時間で駆け足でみて、碌に瞬きもしなかったのでとても疲れてしまった。帰りに表参道のspiralにでもよろうかな、とはいえちょっと休憩しないと元気がないな、と思いながら青山通りに出てきた。

 

目当てのspiralは目の前だけれど、そのまま骨董通りに入っておなじみのプラダのビルが見えたらまわれひだり。ぼんやりとしながらそのまま直進、明かりに集まる虫達のようにすうっと吸い寄せられてじんわりと暖かみのある光がにじむ建物にそのまま入っていった。

 

f:id:tokitaaguri:20160207221149j:plain

 

木材の格子が特徴的な隈健吾の建築に入居しているのは、台湾から満を持して日本に進出した微熱山丘 -SunnyHills- 、美味しいパイナップルケーキのお店だ。

 

f:id:tokitaaguri:20160207221617j:plain

 

受付の方に促されて2階に上がるといい形のテーブル。それを囲うようにして先客達が楽しそうに談笑していた。席に案内されるとすぐにセットのお盆が運ばれてきた。

 

f:id:tokitaaguri:20160207221918j:plain

 

薄い茶碗に入った中国茶を先ずはひとすすり。あぁ…落ち着く…今日も一日よく歩いたな。気が抜けたので、鞄に入れてきた川上弘美のエッセイでも開こうか。ページを一枚、もう一枚とめくったら、気持ちもすっかり穏やかになってきたので、お次はメインのパイナップルケーキ。

 

f:id:tokitaaguri:20160207222711j:plain

 

ざっくりとしたバタークッキーのような生地の中に甘酸っぱい乾燥パイナップルがたっぷりのケーキは、口に含むとバターの香りとパイナップルの甘味と酸味の幸せが押し寄せてくる。じわじわ元気が湧いて、そのままのいきおいで一つぺろりと食べてしまった。

 

残りのお茶を飲み終わったら席を立って背筋を伸ばしてレジへ向かった。レジの棚には先ほど食べたパイナップルケーキが並んでいる、折角だから5個入り1500円をお買い上げ。フリーカフェなのでお持ち帰りの分だけ支払って店を後にした。すっかり元気になって足取りも軽い、そういえば台湾の地震は大丈夫だろうか、帰ったらパソコンで情報を集めて明日募金をしにいこう。

 

 

今回お邪魔したお店

www.sunnyhills.co.jp

 

東京五輪のメインスタジアムの設計も手がける隈研吾建築都市設計事務所

kkaa.co.jp